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染色体の違いを知らされた女の子へ!

Just learned you have DSD?

大丈夫!!

あなたはちゃんと女の子です!

間違っているのは教科書の方です!

 DSDsが判明したばかり、親御さんやお医者さんから知らされたばかりの女の子・女性、そしてご家族の皆さんご自身も、これからどうなるんだろう、自分は大丈夫なのか?と、不安や恐れでいっぱいになられていてもおかしくないと思います。

 このメッセージは、同じような不安と恐れを体験されてこられた、AISやスワイヤー症候群、SF1症、フレイジャー症候群、リポイド過形成など、染色体の違いがあるDSDsを持つ女性(XY女性:XY female)の皆さん自身からのものです。きっと皆さんの役に立つと思います!

門の前の女性

「私はまだ本当に女の子なんですか?」

もちろん、そうです!

あなたは生まれてからずっと女の子ですし、今でも、これからも、ちゃんと女の子です!

もしあなたが昨日のあなたのことを知っているのなら、今日のあなたの存在も全く同じです。

全然変わりません!

 

でも染色体がXYだと知らされれば、あなたも家族の方もきっと驚かれているでしょうね。

 

大きなショックを受けていてもおかしくありません。

これからここで少しずつ説明していきますが,染色体がXYでも、性腺が卵巣ではなくても、全くの女の子に生まれ育つということは実はあるのです。

今はとにかく、間違っているのはあなたの体ではなく,基礎的な知識しか載せていない教科書の方なのだと覚えておいてください。

そしてもうひとつ。

あなたが知らされたDSD:体の性の様々な発達(性分化疾患)の染色体や体のつくりと、LGBTQ等性的マイノリティのみなさんの性自認(自分が自分を男の子に思っているか女の子に思っているか)や性的指向(誰を愛するようになるか)は全く別のことです。

 

DSDの診断を受けたからって、あなたのあり方が変わってしまうことなんてありません。

 

間違いないです!

あなたのあり方は、あなただけが知っているのですから!

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VOICES

私は自分の性別に関して混乱したことは一切ありません。

自分は何かしら違った道で女性になった人なんです。

私は強烈なフェミニストですが、

自分を間違いなく「女性」だと感じています。

アンドロゲン不応症のある女性

Image by Sasha  Freemind

「彼氏やパートナー、家族や友達になんて言ったらいいですか?」

今はしばらく何も言わないでおきましょう。

お医者さんからちゃんとした情報を全部説明してもらうまでは、今はしばらく待ちましょう。

 

そして、自分で「大丈夫だ、言っても安全だ」と思えるようになってから、

 

少しずつ話しをしていけばいいのです!

水彩画

「すぐになにかの治療を受けたほうがいいのですか?」

治療が必要かどうか、それはそれぞれの人の特定の状態や心身の健康への考慮も含めて、様々な要因によって違ってきます。

治療が必要じゃない場合もありますし、早急な対応が必要な場合もあります。

ごめんなさい。サポートグループでは具体的な医療アドバイスはできません。

 

あなたが信頼できるお医者さんからアドバイスをもらってください。

もちろん、他の病院のお医者さんにセカンド(サード)オピニオンをもらってもいいんですよ!

庭にたたずむ女性

「私は性別を変えなきゃいけないんですか? これからの人生を全部変えなきゃいけないのですか? 何を着たらいいのですか? 結婚はできるんですか?」

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「すごくつらくて、怖くて、不安で、死んでしまいたくなります…」

あなたが女の子であることには全く変わりません!

DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)に対して、今でも社会の中には「性別が変わる人」や「男でも女でもない人」というひどい偏見を信じている人がいます。

でも、そんな偏見に惑わされる必要はありません!

これははっきり言えます。あなたは今でも昨日と同じ女性です!

染色体の違いがあっても、体の作りの違いがあっても,あなたが今までの女性であることには変わりがないのです!

 

いつも着ている服を着ればいいのです。あなたはあなたのままなのですから!

そして、あなたが愛する人だったら、結婚もできると思いますよ。

 

DSDを持っていても、愛する人と結婚している女性はたくさんいらっしゃいます。

だから今は、じっと自分の心と体を護りましょう!

私たちは悲しいことにいつかは死に至ります。

 

けれどもそれは今じゃありません!

 

他の人とちょっと違う染色体や、体のつくりが少し違うからと言って死ぬわけじゃありません。

 

あなたも私たちと同じように、おばあちゃんになるまで生きていけますし、

私たちも、いいおばあちゃんになるまで生きていたいです。

今はとてもつらいかもしれません。

でもそれは人生ずっと続くわけではないのです。

きっとあなたの中にもDSDに負けない強さが身についていくはずです。

あなたはきっとしあわせになれますから!

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何度でも言います。

DSDの診断を受けても、あなたが女の子であることには変わりません。

決して「不十分な女性」でも「性自認が女性」でもありません!

あなたは全くの女の子なんですから!

どうかDSDに呑み込まれないでください。

社会の人々の偏見も昔よりずっと少なくなってきています。

DSDの診断は、とてもショックであることは確かです…。

今はとてもつらいかもしれない。

でもそのつらさは時間をかけてうすらいでいきます。

 

そしてきっとあなたのしあわせをつかむことができます!

そして、あなたはけっしてひとりではありません!

XY女性のケイティさんからのメッセージ

 みなさんと同じ「XY女性」のひとつのアンドロゲン不応症(AIS)を持つケイティさんという女性からのメッセージを紹介します。

 彼女はフィラデルフィアで大学を卒業したころにこのメッセージを書いてくれました。

 その後、ケイティさんは大学を卒業して、サムさんとご結婚され、今では養子縁組した子どもとサムさんと家族を作っています。

 彼女からのメッセージを読んで、もしよければぜひ日本のサポートグループにコンタクトしてみてください!

ケイティさんメッセージ
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 みなさん、こんにちは! 私はケイティです。25歳。フィラデルフィア地区に住んでいます。私が好きなのは、犬(特に小さいの)、編み物、それにフィアンセのサムとの旅行です。好きな色はピンク。卒業したら(今私は医学生なのです)、医者になりたいと思っています。星座はいて座。あ、それと、忘れてました。私はアンドロゲン不応症を持っています。

 私は6歳のときにAISを診断されました。ヘルニアの手術の時で、私には子宮と卵管がないことをお医者さんが見つけたのです。私はまだその時小さかったから、全部詳しくは理解できませんでした。なので私の両親は、少しずつ少しずつその話を私に聞かせてきたのです。新しい話を聞く度に、私の心は痛み、聞くのが怖くなりました。自分の置かれた状況を違う目で見られるようになるって、難しいことですよね。自分ではどうしようもないって時は特に。私は長い間、悲しくて孤独で、周りのもの全てが敵であるように思いながら過ごしていました。

 私の両親はアメリカのアンドロゲン不応症(AIS)などのXY女性のサポートグループの設立メンバーなのですが、私もミーティングに行くことで、いい体験ができて、元気になっていくスタートを切れたように思います。

 

 ミーティングでは、私と同じような経験をしてきた、AISやスワイヤー症候群、フレイジャー症候群、SF1症やリポイド過形成など、様々なDSDsを持つ、きれいで賢くて心が強い女性の皆さんと出会いました。

 彼女たちはすぐに私を受け入れてくれて、なによりもうれしかったのは、私が何も言わなくても、私の気持ちを理解してくれたことです。

 

 サポートグループに参加したことで、私は自信が持てて、そのおかげで、自分の気持や、AISのことを自分がどう思っているか、両親や友達、ボーイフレンドに話すことばをみつけられるようになりました。

 

 だんだん私は、AISが私の存在を決めるのではないと気がつくようになっていきました。AISは私の一部に過ぎず、私の全てではないのだと。

 

 もちろんまだ、悲しかったり、打ちのめされたりする日もあります。特に、私は妊娠はできないんだと思い出したときには。でも、そんなふうに思った時でも、そういう気持ちを乗り越えさせてくれる、大好きな人達の集まりがあるんだと、私はもう知っているのです。それに、いつか子どもを養子にもらいたいねと、フィアンセとで楽しみにもしています。

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 私は自分がDSDを持っていることを、なんとか自分の人生の肯定的なところにしようとがんばってきました。大学ではこのことをオープンに話し、それが縁で、別の大学や医学校、お医者さんや看護師さんのミーティングで話をする機会につながりました。テレビのドキュメンタリーや、マリ・クレール(欧米の高級ファッション雑誌)、オプラ・ウィンフリー・ショー(アメリカで最も有名なトークショー)などのメディアで自分の話をすることにもなったんですよ。私は今、ペンシルバニア大学の医学生です。どうすればDSDsを持つ人々を一番良く支援できるか、医師として取り組んでいきたいと思っています。

 

 DSDを持っていることをこんなにオープンにするのは正直私も怖いです。けれども、私がこういうふうにオープンにするのは、今皆さんにこうやって手紙を書いている理由と全く同じ理由なのです。つまり、あなたはひとりじゃない、今はたいへんかもしれないけど、絶対良くなっていくんだってことを、あなたに伝えたいんです。

  

 今では私は、100人以上のAISやその他のXY女性の方たちを知っています。10代の女の子もいますよ。みんな、もしあなたが必要とするなら、手を差し伸べてあなたの役に立ちたいと待っています。

 

 大切な体の話や、恋人のこと、セックスのこと、それに自分の心をいたわることなどなど、そんなことをみんなでお話しています。みなさんの家族の方が話せる場所もあります。家族の人だって、皆さんと同じ疑問を持っていますからね。

  

 ですから、お願いです。どうかためらわないで。このページを読んでもらって、個人的にアクセスできますので、ぜひサポートグループにアクセスして下さい。

 

 私たちのグループへようこそ!あなたをお迎えできてうれしいです。それに、忘れないでください。今はそんな気持ちになれないかもしれないけど、大丈夫。きっとうまくいきます。みなさんの役に立ちたいと願っている、女性だけのグループが、みなさんをお待ちしています。

 

愛をこめて。 ケイティ

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「鏡を見るとき,私に見えるのは…」

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アンドロゲン不応症などXY女性のみなさん

XY女性のみなさん
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アンドロゲン不応症等のXY女性の

ライフストーリーズ

海外国家機関DSDs調査報告書

ベルギー国家機関性分化疾患/インターセックス調査報告書
オランダ社会文化計画局「インターセックスの状態・性分化疾患と共に生きる」表紙

 近年、教育現場や地方・国レベルで、LGBTQ等性的マイノリティの人々についての啓発が行われるようになっています。その中で,DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)が取り上げられるようになっていますが、昔の「男でも女でもない」という偏見誤解DSDについての知識が不十分なまま進められている現状があります。

 そんな中,人権施策や性教育先進国のオランダとベルギーの国家機関が,DSDsを持つ人々とご家族の皆さんの実態調査を行い報告書を出版しました。

 どちらもDSDsを持つ人々への綿密なインタビューや、世界中の患者団体、多くの調査研究からの情報などを総合し、誤解や偏見・無理解の多いDSDsについて、極めて客観的で当事者中心となった報告書になっています。世界でもこのような調査を行った国はこの2カ国だけで,どちらの報告とも,DSDsを持つ人々に対する「男でも女でもない」というイメージこそが偏見であることを指摘しています。

 ネクスDSDジャパンでは,この両報告書の日本語翻訳を行いました。

DSDs総合論考

 大変残念ながら,大学の先生方でもDSDsに対する「男でも女でもない」「グラデーション」などの誤解や偏見が大きい状況です。

 

 ですが,とてもありがたいことに,ジェンダー法学会の先生方にお声がけをいただき,『ジェンダー法研究7号』にDSDsについての論考を寄稿させていただきました(ヨヘイル著「DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患/インターセックス)とキャスター・セメンヤ 排除と見世物小屋の分裂」)。

 今回,信山社様と編集委員の先生方のご許可をいただき,この拙論をブログにアップさせていただきました。

 DSDsの医学的知見は大きく進展し,当事者の人々の実態も明らかになってきています。ぜひ大学の先生方も,DSDsと当事者の人々に対する知見のアップデートをお願いいたします。

 

 (当事者・家族の皆さんにはつらい記述があります)。

ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
性分化疾患YouTubeサイト(インターセックス)
ネクスDSDジャパン:日本性分化疾患患者家族会連絡会
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