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第55回日本小児内分泌学会学術集会で発表させていただきました。


第55回日本小児内分泌学会学術集会

アンドロゲン不応症と性分化疾患のサポートグループ企画セッション

「AIS-DSDサポートグループからの生の声:私たちの思い」



先日の11月3日,日本小児内分泌学会学術集会にて発表を行いました。これは2019年の小児内分泌学会学術集会でのネクスDSDジャパンの発表の際に,性分化疾患専門のお医者様方からご招聘をいただき,実現したものです。

 今回は,アンドロゲン不応症(AIS)等のXY女性のサポートグループのみなさんとの合同企画として,3人の当事者女性に登壇をいただき,生の声を発表いただきました。

 今回の発表のために,XY女性の当事者のみなさんと長時間のブレインストーミングを行い,「告知説明のあり方」,「その後の人生・生活上の悩み」,「家族との関係」,「サポートグループの大切さ」についてお話させていただきました。

 やはり,XY女性のみなさんの多くが,DSD専門ではない病院で「女性ではない」などの誤った告知を受けて大きな心の傷を受け,10年近く苦しみ,家族とも話ができなかったところ,サポートグループやDSD専門の先生から「あなたは紛れもなく女性である」「あなたが女性に生まれ,女性に生まれ育っています」と説明を受けて救われたという経験を持っていらっしゃいました。

 また,外部のいろいろな人がいろいろなことを勝手に言っている中,「多様性」や「グラデーション」といった理論や理念を上から目線に押し付けるのではなく,当たり前の女性として,その人の人生と生活を大切にする臨床を行っていただきたいと強く訴えました。

 参加いただいた先生方からは「画期的な企画」「眼の前の人を大切にする臨床の大切さを再確認した」「あなたは女性であると堂々と説明していいのだと確信できた」などあたたかな高評をいただきました。




これまでの医学系の学術集会での発表



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海外国家機関DSDs調査報告書

ベルギー国家機関性分化疾患/インターセックス調査報告書
オランダ社会文化計画局「インターセックスの状態・性分化疾患と共に生きる」表紙

 近年、教育現場や地方・国レベルで、LGBTQ等性的マイノリティの人々についての啓発が行われるようになっています。その中で,DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)が取り上げられるようになっていますが、昔の「男でも女でもない」という偏見誤解DSDについての知識が不十分なまま進められている現状があります。

 そんな中,人権施策や性教育先進国のオランダとベルギーの国家機関が,DSDsを持つ人々とご家族の皆さんの実態調査を行い報告書を出版しました。

 どちらもDSDsを持つ人々への綿密なインタビューや、世界中の患者団体、多くの調査研究からの情報などを総合し、誤解や偏見・無理解の多いDSDsについて、極めて客観的で当事者中心となった報告書になっています。世界でもこのような調査を行った国はこの2カ国だけで,どちらの報告とも,DSDsを持つ人々に対する「男でも女でもない」というイメージこそが偏見であることを指摘しています。

 ネクスDSDジャパンでは,この両報告書の日本語翻訳を行いました。

DSDs総合論考

 大変残念ながら,大学の先生方でもDSDsに対する「男でも女でもない」「グラデーション」などの誤解や偏見が大きい状況です。

 

 ですが,とてもありがたいことに,ジェンダー法学会の先生方にお声がけをいただき,『ジェンダー法研究7号』にDSDsについての論考を寄稿させていただきました(ヨヘイル著「DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患/インターセックス) 排除と見世物小屋の分裂」)。

 今回,信山社様と編集委員の先生方のご許可をいただき,この拙論をブログにアップさせていただきました。

 DSDsの医学的知見は大きく進展し,当事者の人々の実態も明らかになってきています。ぜひ大学の先生方も,DSDsと当事者の人々に対する知見のアップデートをお願いいたします。

 

 (当事者・家族の皆さんにはつらい記述があります)。

ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
性分化疾患YouTubeサイト(インターセックス)
ネクスDSDジャパン:日本性分化疾患患者家族会連絡会
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