性分化疾患(DSDs)当事者のリアル,何気ない日常を音声配信(ポッドキャスト)でお送りするプロジェクト,「Branches(ブランチーズ)」。
メインキャストは,DSDs当事者の女性チカコさんと,男性のマーレさんです。
この当事者おふたりの「ブランチーズ」に関心を持っていただき,NHKの方から取材を受けられたとのことです。
放送後は,NHKプラスでご覧いただけます!
DSDs当事者のおふたりが,「ブランチーズ」の配信を始めた意味はどういうものなのか,「男でも女でもない」という偏見イメージではない,リアルな当事者の姿をご理解いただけると思います。
NHKでのインタビューをご覧いただく前,後に…。
性分化疾患(DSDs)には,染色体がXXでも生物学的男性(male)に,染色体がXYでも生物学的女性(female)に生まれ育つ体の状態があります。
どのようなメカニズムでそうなるのか,こちらの表を御覧ください。
インタビューを受けた当事者の方3人はそれぞれ,XX男性(male),アンドロゲン不応症(AIS)女性(female),ターナー症候群(45X)女性(female)です。
みなさん,学校などでは,女性はXX,男性はXYと習ってこられたと思います。
ですが実はこれはすでに古い知識で,実は生物学的な女性・男性の体の発生・発達は,X・Y染色体の構成や数ではなく,「遺伝子」のほうが重要だということが分かっているのです。
たとえば,XX男性(male)の場合,身体の男性化の要因であるSRY遺伝子という遺伝子が染色体に付随することによって,まったくの男性(male)に生まれ育ちます。大多数のXX男性の当事者の人は,男性不妊検査からしか判明しません。
また,ターナー症候群は,一般的な女性(female)はXX,つまりX染色体が2つのところ,染色体がXひとつ(45,X)の体の状態ですが,身体的な女性の発生・発達は,X染色体の数の問題ではありません。Xがひとつの状態でも,女性(female)に生まれ育つわけです。
アンドロゲン不応症女性(AIS‐female)の場合は,染色体は確かに男性に一般的なXYなのですが,ものすごく簡単に言うと,X染色体上のAR遺伝子の違いによって,SRY遺伝子の働きがはたらかず,やはり女性(female)に生まれ育つ体の状態とお考えください。
(アンドロゲン不応症女性についてさらに詳しく知りたい方は,以下のNOTEを読んでください!)。
性分化疾患(DSDs)って何ですか?
性分化疾患(DSDs)は決して「男でも女でもない性別」ではなく,トランスジェンダーのみなさんの「性自認」の話ではありません。
DSDsの人々に対して「体の性もグラデーション(スペクトラム)」,「DSDsの人もいるから男女だけじゃない!」,「第三の性別欄が必要だ!」と声高に言う人がいます。このような誤った情報によって,不登校や自殺未遂に至った当事者の子どもたちもいます。
中には,性分化疾患当事者の方の全裸の標本写真を使ってこのようなことを言う活動家の方もいらっしゃるような大変残念な状況です。
性分化疾患(DSDs)は,約30~50種類ほどの疾患がありますが,あくまで生物学的男性(male),生物学的女性(female)のバリエーションに過ぎないのです。
性分化疾患(DSDs)についてさらに詳しく知ってもいいよ!と思っていただける方は,ぜひ以下のNOTEを御覧ください!
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